ラグナロク 【完全日本語版】 vol.1

http://green.sakura.ne.jp/~youc/ro/news/log/image/jro040803comic.jpg


期待に満ちて買ったは良いが、あまりのダメさに阿鼻叫喚かと思いきや


【ケイオス】原作ラグナロクについて語るスレ【アイリス】
http://enif.mmobbs.com/test/read.cgi/livero/1091578402/-100


R.O.M 776 フリー掲示板 原作漫画Vol1日本語版
http://776.netgamers.jp/ro/cgi-bin/freebbs/cbbs.cgi?mode=al2&namber=381


OWN-RO雑談掲示板 ROの原作漫画
http://www11.big.or.jp/~top/bbs/cbbs.cgi?mode=all&namber=34283


批判する人は劣化バスタードということで概ね一致のようだが、大騒ぎはしてないのね。


僕も気になっていた擬音は、基本的にハングルで書かれた擬音らしきものにルビを振っている。
迫力に欠けるのはしょうがないとしても、日本語訳が変すぎた。
キュー ウング(魔法の効果音)
シュバーシュ!!(敵の口から怪光線)
クシャアア(サイトラッシャーの効果音)
チッン(棒でつついた音)
トゥーシャ(棒が延びて敵を貫いた音)
パー パァン(爆発音)
最初の10ページだけでこの始末である。
コケコッコーがクックドゥードゥルドゥーになっちゃうみたいな文化の違いは新鮮だが、
少しぐらい意訳しろって感じだ。時々助詞の使い方もおかしいし、訳者は韓国人?
もしくは、漫画の読解力と日本語表現が相当不自由な日本人。



これが噂の「恐 怖」。馬鹿でかいフォント使えばシャドウスキルみたいでちょっとは格好良かった(かも)


内容の方だが、リアクションがズレた方向に大げさっつーか、間の悪いコミカルさがムカつくっつーか、
欄外の作者注が痛すぎるっつーか、コロコロだかボンボン読んでると感じる
「それはギャグのつもりで言っているのか…ポカーン」も度が過ぎると腹が立つのに近い。
「ここがこう来たら、普通こうなる」という現代の少年・青年漫画の文脈が通じない不自然さが激しいんである。
ちゆ12歳


熱血江湖
http://tiyu.to/n0107.html#13_07_03


も良い例。想像だが、数年前の韓国の「人気漫画」を好む人々のセンスは、日本の小学生に多分近い。
というか、小学生以外が漫画を読む日本という国が珍しいからかもしれない。
韓国人にラグナつまんないねと言ったら、「いい年こいて漫画読むなよ、ばーか」と言い返されちゃうのかも。
しかし、幸い修学旅行で韓国へ行った時、集団行動中に抜け出してROの原作を10巻まで買って
帰って来た馬鹿が身近な所にいるおかげで確認できるのだが、
クールなたたずまいとチート臭いスペックで美味しい所をかっさらう男
流川ロキが登場してからはシリアス度が一気に上がり、
連載当初のコミカルさは影を潜め、急に「漫画」として読めるようになってくる。
(何を喋ってるかはわかんないけど)
まれに見るウザキャラ・リディアもロキ君にホの字で比較的おとなしくなったことを考えると、
この作品ではロキ君が救世主だと言っても過言じゃない。
ただ、ここを好意的に解釈すると、とりあえず韓国読者の心を掴むために日本人には理解不能だが
韓国人は喜ぶコミカルさを多めに入れる必要があったのかも知れない。
絵もbijouたんが出る当たりから絵がこなれてくるというか、キャラの頬のふくらみが
とれて、シャープさが出て来る。そこはかとなく暗行御士と封神演義の香りも
漂ってくるが、これは同じ雑誌に連載してるうちに影響を受けちゃったんだろう。


ちなみに1〜5巻まで連載していた雑誌CHAMP、98年当時の連載陣(と思われる)は


日本漫画であるワンピース、め組の大吾封神演義、H2を除けば、右上の原作ラグナの
クオリティが異様に高いことがわかる。というか、他は日本の同人レベルにさえ達していない。
しかしこの出版社、日本漫画を輸入するチョイスはなかなかマニアックで



げんしけんがヒットするまでは日本でさえ存在があまり知られていなかった木尾士目
四年生五年生マインドアサシン


ラグナ以外の蔵書の中では



(よりにもよって)近藤ガンダムがこの出版社。
5巻以降は掲載雑誌をYOUNGに移し、その連載作品は



ベルセルク暗行御史、女神様、最終兵器彼女、そして左上に見えるのは……熱血江湖?
こっちの雑誌もなかなか通な品揃えで、井上雄彦のREALなんかも載せてしまう。





せっかくだから、作者である李命進(リミョンジン)氏にも迫ってみる。
単行本4巻の後書きを見てみると



メソ、ピカチュー、ヴィンセント、マルチがいたり、見慣れたゲーム機が並んでたり
TVの上には「JUDY AND MARY(はぁと)」と書かれていて日本通っぷりをこっそりアピール。
8巻では、日本の変な本を読んじゃったのか女性読者獲得のために動き出したのか、



こんな絵も描いちゃったり、
話がシリアスになるとギャグ4コマ描いてガス抜きしたりと



わかりやすい性格をしている。実は作中でも遊びまくりで、
現時点だけでパクリとかいってる方々、今後も要注目です。



ジェフリー使いなんですか? ミョンジン先生



モリガンお好きなんですか? ミョンジン先生




ホラーもイケるんですね、ミョンジン先生



雑誌にインタビューがあるので、一部を抜粋してみる


>―漫画「ラグナロク」は当初、オンラインゲームを念頭において作ったと言われておりますが、それは本当ですか?
>うーん…オンラインゲームと言うジャンルにこだわったわけではないのですが、構想初期からゲームを念頭に
>置いて描いていました。もともとゲームが好きでしたから、ゲームの素材になれることを考えながら
>描いていた気がします。
>(略)
>―それではラグナロクがオンラインゲームになった経緯聞かせてもらえますでしょうか?
>漫画のストーリーがある程度進んできたら、やっぱりゲームの「ラグナロク」が作りたくなったんです(笑)
>それで幾つかのゲーム会社に問い合わせて持ち込んだりしたんです。そのなかのひとつの会社が
>グラビティ社でした。グラビティに決めた大きな理由は特にないのですが…(略)


自分の漫画のゲーム化を持ち込むってすげーな。日本だとゲーム会社から漫画家に声がかかって
ゲーム化って流れだと認識しているから、文化の違いというか、バイタリティを感じる。
これでアニメ版の総監督をしていることも頷かざるを得ない。
リミョンジンとは、端からメディアミックスを狙った野望の男だったのだ。


>―では好きな日本の漫画家は
>マンガ家と言うかアニメーターの結城信輝氏の作品がすごく気に入ってます。とくに「ロードス島戦記」が
>大好きでした。それから…あっ、「エヴァンゲリオン」!あれも大好きでよく見ていました。
>―何か幼い頃やマンガやイラストを勉強している時代によく読んだ作品などはありますか?
>私の人生を変えたと言える作品が「Zガンダム」です! 韓国では残念ながら公開されませんでしたが、
>ストーリーダイジェストという形で出版され、それを読んでとても感動した記憶があります。
>純情系の漫画もよく読んでましたよ。今でも安野モヨコさんの「Happy mania」とか大好きです。


この選択もこれはこれでマニアックだが、4巻後書きと雰囲気が違ってわりと一般向けなお答えですね、
ミョンジン先生。まあ、間違ってもマルチハァハァとかは言えないだろうけど。





日本語版発売でモメたって話は風の噂で聞いたことあったが、liveRO板になるほどという書き込みが


【ケイオス】原作ラグナロクについて語るスレ【アイリス】 より


>24 :(○口○*)さん :04/08/05 22:36 id:ZJ3GFiha
>以前に韓国版原作漫画を輸入もしている某サークルさんが
>あちらで聞いた話では直截の原因は"重力がゴネている"だったですね。
>出版社系列で集英社絡みの話も他で聞いた事もあるし角川や講談社と衝突した
>らしき話も過去に聞いた事がある。
>なので日本語版出版はソフトバンクもやりたかったらしいが絶望的だったとか。
>
>宙出版はどんな風に話を持っていったのか判らないけれども上手く行ったものだと
>正直感心してます。
>訳がヘボいとか書き文字とかがそのままで訳を載せているだけとかページの綴じ方が
>向こうのままで若干読みにくいとか色々言いたい事もあるが
>概ね"読めて良かった"と思う。 素直に続刊を楽しんでおく事にします。



>32 :(○口○*)さん :04/08/08 04:17 ID:0QPVgy/T
>>>24
>>宙出版はどんな風に話を持っていったのか判らないけれども上手く行ったものだと
>>正直感心してます。
>
>雑誌扱いにしたのがうまくいった理由っぽいな。
>雑誌なら一定期間で本屋から回収されるから、ってことで妥協したんだろう。
>逆に言うと、いま手に入れないとあとで入手する手段は無いっぽ。



コレが不評だったら雑誌第2弾の発売も危ぶまれるわけだが、話が進むと電波女(前世系)
フェンリルたんが素敵だから、日本語で読んでみたいんだよなぁ…
…ここをご覧の皆様、vol.1は正直ロキ登場まで( ´・ω・`) ですが、お財布に余裕があったら
売上に貢献してあげて下さい…できればvol.4ぐらいまで…
(今まで長々と書いてきたのは、ぶっちゃけコレが言いたかったから('A`*))



美味しいトコを持ってくロキ君に助けられるフェンリルたん



テレテレなフェンリルたん





今回もリンク張ろうと思ってたのだが、2002年8月に当日記で紹介した「Ragnarok Japan!」は
残念ながら閉鎖されていました。原作のキャラ紹介など、当時では貴重な資料だったなあ。
http://ragnajpn.hp.infoseek.co.jp/
その時の自分の感想
>暗行御士とバスタードを足した感じなのだろうか。
がそのまんまで笑った。



韓英翻訳版なんてのもあるんだね
RAGNAROK (1) Eve of Apocalypse
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1931514739/