電波男

哲学とかも軽く撫でたりして理論武装してるオタにはやたら親和性の高い一冊だった。
(オタクは世間に対する後ろめたさの中で居場所を確立するために、過剰なまでの
 自己肯定と理論武装をせずにはいられない生き物なので。自分の場合は更に
 「恋愛の素晴らしさ」に対する実感があまり無いため、せめて知識で理解しようとしていた)
人類は自己の安定のための概念を神から恋愛へ変換させたと言うが、その後はないのだろうか?
僕なぞはさほど恋愛に重きを置いていないつもりなのだが、本田さんに言わせると結果的に擬似恋愛によって
自己を保っているとでもいうのだろうか。本田さん提唱の2次元への恋愛も、結局は
恋愛という土俵からは出ていないだろう。あとがきからは、本田さんの幼少期のトラウマから生まれる
愛への貪欲さは痛いほど伝わって来た。だからこそ、恋愛から逃れることが難しそうだ。
つまり僕が思うのは


>427 名前:無名草子さん 投稿日:05/03/20 (日) 00:46 :05 メール:sage
>俺研究職で周り男ばっかりだけど、
>ずっと男子校育ちで恋愛興味ないって男けっこう多いよ。
>女のこと考えるより鉄道趣味やCD集めのほうが楽しいっていう。
>趣味があえば女とつきあって結婚してもいいぐらいは思ってるかもしれないけど。
>電波男は家庭に問題があるから女の愛に過剰に期待しちゃうんじゃないの?


427氏みたいな人ってけっこういるんじゃない?
ってことなんですが…本人に自覚の無い痩せ我慢なんだろうか。




まあ、恋愛話はとりあえず置いといて、他に思ったことをツラツラと。
本田さんは映画の心の師匠の一人で(漫画家等、その他多数だが一番は町山さん。ボンクラと呼ぶなら呼べ)、
http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/hondat/review.htm
極端な表現が素敵なレビューを楽しませてもらっていたが、電波男は自分の考えを述べるために
多数の作品を引用している総決算みたいな感じであり、作品のレビューってのは
その人の一部なんだなぁと改めて実感。


全てのオタが彼のような人生を歩んできたわけでもないだろうに、優しすぎるがゆえに、とか
純粋すぎるがゆえにオタになったのだ。というのが全てのオタに当てはまるのかというと、
そうでもないだろうと思うので、あんまり甘やかすのもどーかなー、と思ったり思わなかったり。


本書の前提として自分がキモメンだということになっているが、某番組で
オタキングの隣に座ってハードディスクレコーダーについて語っているのを見たことあるけど、
態度も素人にしては堂々としたものだし(アニメ夜話の氷川さんよかましな気がした)、
自分で言うほど全然悪くないと思ったのですが。真のキモメンはバンドやっても女は寄ってこないでしょうに。
何か他に原因があるんじゃないんスか?(蝶失礼)


ところで、電車男出生率を上げるための厚生労働省の陰謀なら、本書はどこの陰謀なんでしょうね。
出生率が下がって滅ぶなり、移民を受け入れたりすると喜ぶ所……はっ!?(心当たりがあったらしい)



本田透インタビュー 真実の愛を求め、俺たちは二次元に旅立った!(1-7)」
http://media.excite.co.jp/book/interview/200503/